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素朴でやさしい『ハニワと土偶の近代』展

こんにちは!スタッフのあきらです。

久しぶりに美術館・博物館に足を運ぶ余暇があったので、東京国立近代美術館で開催中の『ハニワと土偶の近代』展を観て来ました。



ハニワと土偶の近代 (展覧会)- 東京国立近代美術館

堅めのタイトルの通り、この展覧会は近代、そして現代に至るまでのハニワと土偶の受容や認識の変遷を歴史的に紐解くものです。



展覧会は、江戸時代の「好古家」と呼ばれる古物蒐集家の紹介から始まります。

次いで、西洋からもたらされた「考古学」による発掘、そして「万世一系」の象徴としてナショナリズムを高揚した明治~第二次大戦までの流れが見て取れます。

その渦中には、自由美術協会などによる、必ずしもその枠組みに入り切らないラディカルな表現もあります。

そして、戦後、岡本太郎やイサム・ノグチによって考古学的遺物に芸術的な意味がもたらされます。ハニワや土偶を美術品として観る視点は、比較的最近のものだったんですね!

そして、上にも『おーいはに丸』の画像を貼りましたが、現代ではハニワや土偶は大衆的なイメージとなり、より深く日本人の心に日本人の源として根付いています。



展覧会を通じて、私は、数体の本物のハニワと向かい合いました。空洞になった眼と、素朴で優しい表情は、何か安らぎを与えてくれるもののように感じました。それは、子供のころから親しんだ大衆的イメージを超えて、血が通った、ひょっとするとコミュニケーションさえ可能に見える、神様のようでした。

2024/11/13

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