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東京に住むということ―私の好きな街と場所

(画像は生成AIによる)

 東京で暮らし始めて20年余りになる。
 もともと地方出身で、小学校の途中からの東京人である私は、今でも東京という街を部外者の視点で見ているところがある。
 東京は、理解しようとすればするほどわからなくなる、多様で混沌とした空間だ。
 だから、東京に住む人たちはたぶん、一人ひとりが自分に合った場所を探しながら、なんらかに帰属し、どこかの街に暮らしている。
 地方で暮らす場合との最大の違いは、東京における適応とは馴染むことではなく選ぶこと。私はそれに気づくのに数年かかった。
 
 そんな東京だが、私にも好きな街や場所ができた。
 
 例えば、皇居北の丸公園にほど近い東京国立近代美術館がその一つだ。
 日本画の大家の展示を除けば、基本的に渋い展示が多く、また美術館が集中する上野や六本木ではなく竹橋という不便な立地のため、熱心な鑑賞者しかいないのもポイントだ。
 
 また、新宿伊勢丹もけっこう好きだ。
 買うのはもっぱらプレゼントやお土産ばかりで、自分のものを買ったことはほとんどない。
 ただ、ハイブランドの洋服を眺めていると、時代の最先端の気分を感じられるし(数年後大きな流行になるか、ならないか想像したり)、何より値段が高過ぎて物欲が全く刺激されないところが良い。
 最近の伊勢丹は以前よりだいぶ気さくになっていて、サンローランの店員さんが笑顔で話しかけてきたときは心臓が止まりそうになりましたけどね!
 
 そして、自分が住む地域が心地よい街であること。これは何より大切だ。
 私は東京に住み始めてから今までに4つの区に住んできたが、同じ東京23区内と言っても、人との距離感や街の空気、生活に便利かどうかなど大きな差異があり、自分の価値観、ライフスタイル、そしてお財布と相談して居住地を選ぶことが大切だと思う。
 
 東京という街で、愛憎半ばする気持ちを抱えながら私は今日も生きている。
 東京に住むということは、そんなものなのかもしれない。

【スタッフ あきら】

2025/07/02

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